住まいる祭り!
2017年で第9回目の開催となる「住まいる祭り!」。その主催者である、習志野市の秋山木材産業株式会社で代表を務める秋山奈穂子さんにお話を伺ってきました!
――「住まいる祭り!」開催の経緯を教えてください。
平成20年(2008年)に八千代市島田台に営業所をオープンしたことを機に、平成21年(2009年)から周辺地域のみなさん、工務店さんにもっと当社の材木を見てもらいたいというところから始めました。第1回から第4回までは自社倉庫で行い、第5回から第8回までは船橋アリーナで行っていました。
――「住まいる祭り!」を9年続けている理由はどんなところにありますか?
工務店さんと地域住民のみなさんとの接点を作るためです。
地域のみなさんからすると「地域の工務店でこういう家が建てられるんだ」というのがわからないと、わざわざ工務店さんを探して接触しようと考えませんよね。
――たしかに、よく知らないとネットやテレビでよく見るハウスメーカーを選んでしまいますよね。
そうなんです。例えば、ハウスメーカーで家を建てる人たちは、デパートでブランドのバッグを買うように、ブランド力による安心、安全、それを持つステイタスを手に入れます。片や地域の工務店さんで家を建てることは、商店街で買い物をするようなもので、どこに商店街があって、どんなお店があるのかがわからないと買い物に行けません。だからこそ「住まいる祭り」のような機会で、地元工務店のよさや魅力を、地域のみなさんに知ってもらいたいのです。
複数の工務店がブースを出展し、地域の方に知ってもらう機会にしている
地域の工務店さんは、近くて、顔が見えて、安心。なおかつ、手頃な価格で家が建てられるばかりでなく、お家になにかあった場合のメンテナンスも近いから必ず来てくれます。もちろん、建築基準法により品質は同じように仕上がります。「地域の工務店さんでもTVのCMでみるような家が建てられますよ」「品質も変わりませんよ」ということを伝えていくために、「住まいる祭り!」を続けています。
――回を重ねるごとに工夫をしているポイントは?
来ていただいた方に「いかに楽しい時間を過ごしていただくか」ということを念頭に置いてイベント内容を考えています。たとえば、ワークショップで木工を体験できる、マーケットで買い物ができる、お腹が空いたらその場で何か食べられるなど。
このイベントはありがたいことにお客さまの滞在時間が長いのが特徴です。時間を気にせず過ごしていただけるよう工夫しています。
「第8回住まいる祭り!」で大盛況だった木工教室のようす
――今回の第9回は「健康と住まい」というテーマですが、どうしてこのテーマを選定されたのですか?
せっかく家を建てるのですから、"長く健康でいられるような住まいづくりを考えてもらいたい"と思ったからです。
例えば、空気の流れって、暖かい空気は上昇し冷たい空気が下降しますよね。家の中でも、暖房や冷房をかけたときなどにそういう現象が起きているのですが、部屋によって温度差があると体調に影響してしまいます。有名な話はヒートショックというもので、お風呂でいきなり心筋梗塞や脳梗塞を起こしたり、トイレで倒れて頭の打ちどころが悪くて死に至ることもあります。
――なるほど。住まいづくりが健康に影響することもあるのですね。
はい。長く健康でいられる住まいづくりのためには、家の中の温熱環境を整える作業が必要で、これからは家を建てるときにそういうことも考える人がすこしでも増えてほしいと考えています。
国の政策でも「健康寿命の延伸」が掲げれていますが、その中には家の温熱環境を整えるということも含まれています。外の熱に左右されない、寒くない、暑くなり過ぎない家づくりをするにはどうしたらいいか。このイベントを通じて伝えていきます。
小学生による木工チャレンジ表彰式の様子
――具体的にはどのような家づくり対策が必要ですか?
例えば、窓の性能や断熱の性能を考えると、エアコンを使う回数も減ります。室内にはカビが生えなくなり、その結果、アトピーが減るとか、アレルギーが少なくなるとか、健康面で様々な効果があります。
また、家に木材をふんだんに使うことによって、気分が落ち着くという実験結果も出ています。「揺らぎ効果」というのですが、均一ではなく、かつ人間にとって不快ではない、木目のアンバランスな感じが人に視覚的にも癒やしをもたらすのだそうです。
――最後に、今回来場されるみなさんにはどんな風に楽しんでもらいたいですか?
自分の住まいを考えること、生活を考えることで、夢を持ってほしいです。明るく豊かな家には、健康に過ごせるということがベースにないといけません。健康で楽しく毎日が過ごせる、長く生活できる住まいづくりをみなさんと一緒に考えるイベントにしたいです。
秋山木材産業株式会社
代表取締役社長 秋山奈穂子さん プロフィール
習志野市で材木屋の次女として生まれる。外国人向けの日本語教師を志し、学者を目指して勉強していた。実父の病気を機に、家業へ。
2008年、3代目社長に就任。
2009年より「住まいる祭り!」を手掛け、今年で9回目となる。