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加曽利貝塚縄文遺跡公園のスプリングエフェメラル ― 縄文の森でつかの間の春を生きる妖精

日本の四季の巡りは美しく、速い。「加曽利貝塚縄文遺跡公園」にも何時の間にか春が姿を現わし、日増しにその色合いを濃くしています。


加曽利貝塚公園は東京ドーム3つ分の広さを持ち、芽吹き始めたクヌギ、コナラ、クリ(注1)などの高木の落葉広葉樹林に、常緑樹のマテバシイ、スダジイなどが繁る混合樹林はそれ自体見ごたえがあります。落葉樹林の林床に季節の移りに合せて、多種多様な山野草(注2)が生える風景が目の前に広がり、数千年前の縄文の森の風景と重なって見えてくる思いがします。縄文時代から咲いていたかもしれない加曽利貝塚の可憐な春の草花について掲載しました。

 

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・昭和60年「縄文時代の植生を復元する目標植生の選定のため、加曽利貝塚の東側支谷・坂月川における泥炭層の花粉分析調査」がなされた。 ― 「加曽利貝塚博物館20年の歩み」S.62.3.31発行 99P

 

・(注1)昭和60年調査「加曽利南貝塚現存植生図」によると、18種の樹木で数量355がリストアップされ、クヌギ、コナラ、クリの3種で3/4を占める。―「加曽利貝塚博物館20年の歩み」S.62.3.31発行 104P

 

・(注2)昭和60年調査「加曽利南貝塚の現生植生調査」によると、南貝塚の草原植物は「計66科・178種を確認した。これは、他に類例を見ない豊富さである」。―「加曽利貝塚博物館20年の歩み」S.62.3.31発行 102P

晴れ上がった雪景色

今年は1月中旬まで温和な陽気でしたが、下旬には東京でも氷点下が1週間ほど続きました。おまけに1月22日(月)千葉の降雪は10cmを超え(1998年、2014年に続いて)まれにみる“大雪”に見舞われました。

 

雪が降り積もった日の翌23日は一転晴れ上がり、新雪の上に早春の明るい陽が降り注ぎ感動的な風景が現れました。何かをしたい衝動に駆られ、スタッフがかそり―ぬの雪だるまを作りました。耳や目と首飾り、顔かたちのバランスがよく、遠くから見るとまるでかそり―ぬが座り込んで雪と戯れているように見え、見学のお客様に喜んでもらえました。

 

新雪ですっぽり覆われた復元集落付近の景色~清新な気分      かそり―ぬの雪だるま~made & photoed by staffs

縄文の森の林床

落葉樹の森では冬季に落葉し、裸木になるとようやく林床にもたっぷり太陽の光が届きます。冬が終わって木の芽時になると木々は萌黄色に色づき、林床では山野草が自分の時季を知って芽吹き始めます。

(上左):3月末     (上中):4月初旬     (上右):4月初旬 萌黄色の落葉樹林         ( 下左):3月末 コナラ       (下中):4月中旬       (下右):8月下旬 クヌギ

スプリングエフェメラル

落葉樹林の葉がまだ出ない早春、陽光を浴びる林床でひそかに芽生え、花開き、実をはらみ、葉が茂り陽射しが遮られる頃には枯れてしまう、地上にあるのはたった2ヵ月程度で1年分の生命の火を燃やす一連の草花があります。

 

ヨーロッパでは、ブナ林で咲くこれら一連の多年草は Spring Ephemeral(春先の儚い命、春の妖精)と呼ばれ、春待つ心と相まって大切にされ、また栽培もされているそうです。日本では2月になるとセツブンソウ開花の便りがきかれ、 3月には泉自然公園や川村記念美術館の自然林に咲くカタクリの映像が流され、代表的なスプリングエフェメラルとして珍重されています。

 

加曽利貝塚公園でもアマナやムラサキケマンなどは、縄文時代から続く落葉広葉樹林の林床で、早春の一時の太陽の恵みを受け地下茎にエネルギーを蓄え、時が来たら一気に花開く。一見か弱く見えるが、したたかに自然界の仕組みに適応してスプリングエフェメラルが生き続けています。

■アマナ

アマナの名前は球根が甘く食用できることに由来。 ユリ科アマナ属  花言葉:「お天気屋(日が出ないと咲かない)」「運が向いてくる」。

 

右の写真の下方左に、すでに果実ができている

■ムラサキケマン

華鬘(ケマン)というのは仏殿の欄間などの装飾具。 ケシ科キケマン属  花言葉:「喜び」「助力」「あなたの助けになる」。

★特別史跡に指定(H.29.10.13)された時、「加曽利貝塚の4つの価値」の一つに「縄文時代から続く景観が今も残る」ことが掲げられました。5千年前から今に至るまでの日本のムラの原風景 ― 人々の生活とそれを取り巻く自然環境 ― が保たれていることは、レッドデータブックに登録されているスプリングエフェメラルが今も咲き続けていることからも分ります。

 

加曽利貝塚の遺跡観覧施設見学にとどまらず、都市化が進むなかでこのような自然が残る加曽利貝塚の貴重な草原の散歩にお越しください。なにか新しい発見があるかもしれません。

(以上)

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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